日々、我が家で繰り広げられる一つの「論争」がある。それは、日本人の私とガボン人の夫による、どちらの発酵食品がより「クサい」かについての議論である。日本の誇る発酵食品「納豆」と、ガボンの主食であるキャッサバから作られる発酵食品「マニョック」、この二つが対決の主役。
私は夫から納豆が「クサい」と言われることに関しては、認めざるを得ないと思っている。正直、あの独特の香りを嫌がる日本人も少なくないので。でも、慣れてしまえばそれも一種の魅力。粘り気のあるあの食感と、発酵による深い味わいがたまらない。
一方で、夫は「マニョックは臭くない」と断言するのだ。「いやいいやマニョックもたいがいクサいよ?」と抵抗する私。確かに、マニョックの中にも臭いが控えめで食べやすいものがあって、それは私もおいしいと思ってガボンでは食べていた。でも、どんなに作り方を工夫しても、やっぱり発酵食品独特の匂いは残るもの。
そんな中、先日ガボンから久々に届いたマニョックに、夫のテンションは最高潮!まるで宝物を開けるかのようなワクワク感で、包みを開けたその瞬間、以外にも夫の口から「クサい!」という言葉が!逃しませんよ。「でしょでしょー!」と、ここぞとばかりに夫にアピール。
しかし、夫の反撃も早かった。「マニョックはクサいけど、納豆はチョウクッサ!」と、流ちょうな日本語での返しに、思わず笑ってしまった。
結果、我が家ではこの「納豆VSマニョック」の論争に明確な答えは出ない。きっと、発酵食品の香りは、文化や育った環境によって感じ方が違うものなのだろう。
それぞれの国の文化を背負った大切な食べ物。臭い臭くないに関わらず、どちらも私たちにとっての「家庭の味」であることに変わりないのだ。
そして、今日もまた「どっちがクサいか」についての答えの出ない議論が続いていくのである。
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